〜根拠ある意見を、文の形で言う〜

問答ゲーム

 

■目標

・自信をもって、自分の意見を日本語で言えるように

なる。ま意見を言うことに慣れる。

・問に対して、根拠に基づいた意見を言えるようになる。

・意見を整った文の形で言えるようになる。

 

 

ステップ1(問答の形に慣れる)

 問:あなたは〇〇が好きですか。

 答:私は、〇〇が好き(嫌い)です。

 問:どうしてですか。

 答:なぜなら・・・だからです。

 

問の例:食べ物(カレー、アイスクリーム等) スポーツ(サッカー、ドッチボール等) 遊び(鬼ごっこ、等)

 

「この定形の形で話をすることを、子どもは嫌がるのではないか?」と最初に考えました。「なぜなら・・・」の後を考えられるだろうか・・・どちらも杞憂でした。

定形の形があることで、子どもたちは安心して自由に考えられているような気がします。また、なぜなら・・・につなぐ文章作りは時として大変時間がかかりますが(考えていることが文にならずに)、回を重ねるごとにスムースになります。

そして子どもたち皆共通していることは、私たちの日本語の助け舟が自分の気持ちにそぐわない場合には絶対に受け入れないということです。安直に助けを借りて、簡単に答えてしまおうとは、誰もしません。「こんなこと? あんなこと?」と日本語を並べて

「それ」と思える言葉に出会ったとき、子どもの表情が変わります。

 

 

ステップ2(理由を詳しく言うことに慣れる)

 問:あなたはサッカーが好きですか。

 答:私は、サッカーが好きです。

 問:どうしてですか。

 答:なぜなら、楽しいからです。

 問:サッカーのどこが楽しいですか?・・・

 

 問:シュートがきまると、気持ちいい。それを楽しいにつなげると?

 答:シュートがきまると、気持ち・・・よくて?・・・楽しいからです。

 問:もう一度つなげて言うと?

 答:シュートが決まると、気持ちよくて楽しいからです。

 問:だれが、楽しいの?

答:・・・ぼくはサッカーが好きです。なぜなら、僕はシュートがきまると楽しいからです。

鉛筆

理由を詳しく聞こうとすると、沈黙が続くことがあります。質問をする側が予想をし、言葉を準備しておく必要があります。ドリブルをする・・・シュートを決める・・・試合をする等言葉を発していくと理由が固まってきます。言葉が出るかどうかは、私たちの準備の問題でもあります。

 

 

ステップ3(なりたいですか。なりたくないですか。)

 問:あなたは、○○になりたいですか。

 答:わたしは○○になりたくないです。なぜかというと・・・

鉛筆

このステップ3くらいから、とても面白い意見がでてくるようになりました。子どもたちもとてもこの質問を面白がります。私たちには考えられない発想がでてきます。

また、自然に「なぜかというと・・・」という言葉が子どもから出てきます。

 

 

ステップ4(○○と△△では、どちらが好きですか。)

問:あなたは○○と△△では、どちらが好きですか。

 答:わたしは、○○のほうが好きです。なぜかというと、○○は・・・

鉛筆

この問答は思いがけず、〇〇派と△△派にわかれていつのまにか子どもたちの間で対話?になることがあります。

 

 この後、まだまだステップは続きます。私たちが今現在授業で取り上げたものは、ステップ4までです。問答ゲームの最後は必ず文章表記をして終わるようにしています。

文の形で言えるようになった答えを、助詞等間違えなく表記できるか確認します。

子どもたちは、口答で文の形でこたえられるようになると、文を書く作業を嫌がることはありません。 

 

 

★あなたは、お米とパンとどちらの方が好きですか。

 ぼくは、米の方が好きです。なぜなら、米の中に7人の神さまがいて、その米を食べるといいことが起きそうだからです。

(3年  男子)

★あなたは、冬が好きですか。

 ぼくは、冬がすきです。なぜなら、ぼくはあせが好きで、冬だと寒い風のおかげであせがすぐにひけるからです。 

(3年 男子)

★あなたは、アイスクリームが好きですか。

ぼくは、アイスクリームが好きです。どうしてかというと、ぼくはなつにうちでアイスをたべるとすずしくなるからです。

(1年男子)

★あなたは、牛乳が好きですか。

 私は、ぎゅうにゅうが好きです。なぜかというと、 ぎゅうにゅうはつめたくておいしいからです。

(1年 女子)

 

 

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